別れた理由、別れない理由
別れた理由
こんにちは!ぴのめです。
このあいだ、コロナの影響でずっと会えずにいた友人と久しぶりに会ってお話ししました。そのとき、友人が意を決した様子で真顔で私に聞いてきました。
「ぴのめさんは、どうして離婚したの?」
えっ?なんでだったかな?すぐに答えられなかった私。離婚したのはだいぶ前のことなので、もうすっかり忘れていました。
「ギャンブルや借金の問題があって。それはすぐ収まったんだけど、そのあと、相手がまったく口を利かなくなったんだよね。」
と答えると、
「それは外に女がいたんじゃないの?」
と友人は言いました。いや、それはなかったんだけど・・私がもごもごしていると、
「とにかく、今あなたがストレスなく暮らしていられるなら、それが一番だから」
と友人が言いました。友人は私の離婚した理由がずっと気になっていたんだけど、聞けずにいたそうです。
コロナの影響で会えなくなってから、急に聞いておかなくちゃと思ったんだとのこと。すなおでお茶目な友人です。
久々に離婚のときの話になって、いろいろと思い出しました。
離婚前の10年間、それはそれはストレスフルな結婚生活でした。
元夫は、モラハラ夫だったこともあり、友人に打ち明けるのもしんどいと感じるような、ぞっとするようなできごとが多かったのです。
しかも夫の行動には規則性がなく、夫が今日、明日何をするのか、何を言い出すのか予想もつかないし、口出しすれば倍返しで嫌味と文句を言ってくるので、黙って従うしかありませんでした。
でも、その当時はそれが普通であたりまえでした。この生活が一生続くことに悲観もせず、私は人生ってこういうもんだと思っていました。
結婚していたときは、私も夫も、相手と意見をすり合わせたり、お互いの意見を尊重し合ったり、お互いの状況を思いやったり、喜びや悲しみを分かち合ったりすることを知らなかったんです。
離婚する2年前から、私は介護施設で働き始めました。そこで、私は普通の温かい人間関係がどんなものなのかを高齢の利用者さんから教えられました。
それまでの私は、立場とか役割とか、人からどう思われるか、周りから認められるかにとらわれて、形式的な受け答えやうわべだけの関係を作っていました。
ところが高齢の利用者さんたちは、周りの目など気にせず、率直にものを言います。人を経歴や、見た目や、年齢で判断せず、その場にいるその人そのままを受け入れ、対等に接していました。
私は、人と人との関係って温かいもので、私たちの夫婦関係が尋常でないということに気づきました。
私も周囲の人を思いやることを心がけるようになり、気持ちをこめて受け答えしたり、相手を尊重するってどういうことかを知りました。
絶対に言われたくないことを言われて、嫌な気分になったり、落ち込んでいるときにさらにひどいことを言われたりする。
私たち夫婦の間では、それが普通になっていたけれど、私はそれを変えたいと思うようになりました。
それで勇気を振り絞って、夫との関係をもっと温かなものに変えたいという自分の考えを夫に伝えました。
夫の意見は、今までどおりの関係でいたいということでした。私の考えを伝えてからは夫の変な行動がますます増えてしまい、関係が悪化。離婚を決意しました。それは私が40代後半に入ってからです。
別れない理由
私がその年まで離婚しなかったのは、自分たちの関係を普通だと思っていたからです。
夫にどんなにひどいことを言われても、恐ろしい目に遭わされても、夫婦関係がどれほど冷たくても、私はこれくらい普通だと思っていました。
最近になって、当時の日記を読み返してみたら、あまりに恐ろしい出来事が記されていてぞっとしました。
冷静に読み返してみても私はちっとも幸せを感じていなかった。なのに当時の私は、自分のことを「人より恵まてる」ぐらいに思っていたんです。
人って慣れるっていうか、耐性ができるっていうか、感情が鈍化して感覚がマヒしてしまうのかもしれません。
もっと若い時に、子供が小さいうちに離婚される方も多いし、当時の私と同じように、不満をぐちっているだけの若い方もいます。
私よりもっと年齢が上になってから熟年離婚される方もいます。
人それぞれ、ケースバイケースです。
周囲の人は、「もっと子供が大きくなってから別れたら」とか、「いい年して今さら離婚してどうやって暮らしていくの?」とか思うのでしょうが、
自分たちの関係がどれだけひどいものかということに気づいてしまったら、
本当はもっと温かい人間関係があるってことに気づいてしまったら、
状況を変えずにはいられない。
そして私の友人の言う通り、「ストレスなく暮らしているのならそれが1番」なんですよね。
ただ、私が離婚したときに、子供が放った一言は今でも私にグサリと刺さっています。
「お母さん、離婚するのが遅いよ。今から(40代後半)では新しいお父さんができないよ。ちょっと楽しみにしてたのに。」
楽しみにしてたの?ごめん。おっしゃる通りです。
その後今でも新しいお父さんを作ってやれていません。